今回は、フランスの世界遺産で最も有名と言っても過言ではない「モン・サン・ミッシェル」へパリから日帰りした話です。5歳、3歳を連れて、どうやってモン・サン・ミッシェルへ行き、楽しんで帰ってきたのか。
前編では、モン・サン・ミッシェルまでのアクセス方法、パリ出発からレンヌ駅周辺での公園遊び、そしてモン・サン・ミッシェルの姿が見えるまでをお届けします。
出発前の事前予約
モン・サン・ミッシェルは、フランス西部ノルマンディー地方の世界遺産。海に浮かぶ修道院として有名ですが、実はパリから片道約3〜4時間で行けるため、日帰り旅も可能です。
主なアクセス方法は3つありました。
- 観光バスツアー
- TGV+バス
- 鉄道(TER)+ローカルバス(ポントルソン駅経由)
一つ一つ、説明させていただきます!
①観光バスツアー
最も一般的なのが、パリ市内から往復できる日帰り観光バスツアー。多くの旅行会社が催行しており、集合場所まで行けば、あとはお任せでモン・サン・ミッシェルに到着します。私が感じたメリットは…
- 参加者の多くが日本人であり、日本語ガイドもいる
- 集合場所に行けば確実に往復できる安心感
- トイレ付きバスもある
- オンフルールなどの港町に立ち寄るプランもある
- オムレツ昼食付きも選択可(ただし島内の有名店ではない可能性があるため注意)
🌟参考ツアー(画像をクリックするとKKdayのページに移動します)
ただ、デメリットも見えてしまいました。
- 片道約4時間のバス移動
- パリ市内の出発は朝7時前後、帰着は夜21時前後
- 他アクセス手段より、ツアー代が高め。
長時間のバス移動で子どもたちが飽きて、大声を出したりフラフラと動き迷惑をかけるんじゃないかという心配、また集合/帰着場所がどのツアーでも宿泊ホテルから地下鉄で30分程度かかるたこともネックでした(夜のパリの地下鉄に子どもを乗せたくない)。オペラ周辺やエッフェル塔近くのホテルであれば、集合場所と近いので、ホテルチェンジも考えましたが、家族4人で試算したところ、バス移動だけで7万超えとなったので、気持ちが怯んでしまいました。
②TGV(フランス版新幹線)+バス
パリ・モンパルナス駅(Gare Montparnasse) から TGV(フランス版新幹線)でレンヌ駅(Rennes)へ行き、そこから専用のシャトルバスでモン・サン・ミッシェルへ向かう方法です。
私たちはこのルートを利用しました。フランスでは電車の遅延が多いと聞いていたこと、レンヌ駅でのバスの乗り継ぎ時間があまりないとこが心配で、1本早い列車(モンパルナス駅7:35発)を選びました。実際には、乗り継ぎは歩いて10分もかからず、モンパルナス駅8:35発でも十分間に合いました。レンヌ駅でのバス乗り場もわかりやすく、案内表示も多いので迷うことはありませんでした。過度な心配は不要でしたが、レンヌの街を少しの時間楽しめたことは良かったです。
| 項目 | 標準スケジュール | 私たちの スケジュール |
|---|---|---|
| TGV出発 | モンパルナス駅 8:35発 | モンパルナス駅 7:35発 |
| TGV到着 | レンヌ駅 10:20着 | レンヌ駅 9:15着 |
| バス出発 | レンヌ駅 10:45発 | レンヌ駅 10:45発 |
| モン・サン・ミッシェル到着 | 12:00頃 | 12:00頃 |
新幹線(TGV)とバスの両方に乗れるため、子供達も大喜びでした。公式サイトからチケットを自分で予約する必要はありますが、費用を抑えつつ、自由度が高いのが魅力ですね。
費用の目安(2025年6月予約時点)
| 移動手段 | 家族4人での合計額 ※5歳、2歳 |
|---|---|
| TGV(モンパルナス → レンヌ) | 31,111円 |
| バス(レンヌ → モン・サン・ミッシェル) | 12,091円 |
| 合計額 | 43,202円 |
この旅行中に次男は3歳の誕生日を迎えたのですが、モン・サン・ミッシェルを訪れた日はまだ2歳。移動費がかからず経済面でも助かりました。
予約方法
🚅TGVはフランス国鉄(SNCF)の公式サイトで予約しました。
- 約3ヶ月前から予約可能
- 早期割引があり
- 子連れはボックス席指定をおすすめ
予約時に参考にしたページはこちらです。実際に予約して乗車した電車の情報。

チケットはPDFファイルでも保存が出来るので、スマホにダウンロードしておきました。有人改札だったので、QRコードを見せたらすぐ入れました。

SNCFのアプリをインストールし、アカウント情報を紐付ければチケットが表示されるので便利でした。また、路線検索も出来て、電車の遅延情報も確認できたので、あると便利かなと思います。ただ、帰りのチケットの表示方法が分かりにくいなど、使いにくさもあります(^o^;)
🚍️バスは、Keolis Armor公式サイトで予約しました。
何日先まで予約可能と決まっていないようで、大体半年先まで受付中のようでした。こちらもPDFで予約した人数分のチケットがPDFで届きます。バスもQRコード読み取りなので、乗車時はとても楽です。

参考になった記事:
【2025年最新】モンサンミッシェル:鉄道(TGV)+バス での行き方を詳しく紹介
【最新版】レンヌ-モンサンミッシェル間のバスのチケット予約方法をわかりやすく解説
③ 鉄道+ローカルバス(ポントルソン駅経由)
電車でポントルソン駅(Pontorson)まで行き、そこからローカルバスで行く方法です。
モン・サン・ミッシェルの最寄り駅である「ポントルソン駅(Pontorson-Mont-Saint-Michel)」までは、パリのモンパルナス駅からTGVを使ってレンヌ駅を経由し、そこから在来線(TER)でポントルソン駅へ向かう方法(3時間弱〜3時間半)と、モンパルナス駅から在来線(TER)でポントルソン駅へ向かう2つの方法(4時間弱)がありました。

ポントルソン駅に着いたら、駅前から出ているモン・サン・ミッシェル行きのシャトルバスに乗れば、約15分で島の入口(シャトルバス乗り場付近)まで到着します。
このルートは最も安く行けるケースもありますが、乗り継ぎのタイミングと本数の少なさには注意が必要です。また TER はストの影響を受けやすいです。実際に私が行った日もストに当たり、TERで向かう予定だった人が急遽、「TGV+レンヌからのシャトルバスに変えた」と言っているのを聞きました。

尚、夏季や繁忙期には、パリからポントルソン駅まで直通TGVが運行される日もあります(約3時間半)。運行日は限られますが、直通列車を予約できれば、乗り換えなしで行ける最も快適なルートかなと思います。
モン・サン・ミッシェル修道院の入場チケット
入場する約3ヶ月前に、Booking.comから予約をしました。ホテルをBooking.comで予約したのですが、クーポン適用があり、公式サイトより割引が聞いたので、お得に購入出来ました。
14時入場、大人2名(子どもは無料)で料金:€28.80(¥5,084税・手数料込み)でした。予約時にメールでバウチャーもすぐ届きました。修道院は混雑するため、事前の時間指定予約をおすすめします。
当日の動き〜モンパルナス駅からTGVに乗車〜
朝5時半に起床。6時30分から少しだけホテルの朝食をとりました。6時50分ごろ、ホテル最寄り駅のVaugirad駅からモンパルナス駅へ向かいます。

通勤ラッシュ前の時間でもあり、ガラッガラでした。前日にモンパルナス駅を歩いていたので、迷わずTGV改札前まで移動できました◎

長い歩く歩道


ポリスっぽい人たちも

あります
7時10分過ぎにTGV改札前に到着。電光板で予約していた列車が出発予定と知り、一安心。ストライキの注意喚起が発表されていたため、TGVへの影響が分からず内心ドッキドキでした。TGVのように長距離列車への影響は少ないと後から知りましたが、遅延とストライキは本当に読めないし、観光客には難易度が高いなぁと感じました。
出発は7時35分と余裕があったので、改札前にあった「ERIC KAYSER」でカヌレとコーヒーを買って、TGVで食べることにしました♪

TGVは余裕を持って15分前には改札を通りました。大人だけであればチケットのQRコードを改札機にかざすだけですが、子連れは有人改札を案内されました。こちらでも駅員さんに挨拶してチケットを見せるだけで、すぐホームに入れました。

反対ホームには青色のTGVが停車していました♪色んな種類のTGVにわくわく。少し歩くと予約していた8号車を見つけました。

フランスの新幹線(TGV)ってどんな感じなんだろう?と楽しみにしていたのですが

広くて綺麗!快適!!
トイレの手洗い水が出ない(なんでや)ものの、綺麗だったし、大型の荷物置き場は大きくて。さらに予約したボックス席にはテーブルがつき、窓は広く最高でした!

ブレッブレですみませんが、充電はUSB口2つありました!フランス式の二口も1つあるので変換プラグを持っていれば、充電に困ることはありません。

車窓を眺めながら、子どもたちとカヌレ時間を楽しみました。

レンヌ駅でひと休み
遅延もせずレンヌ駅に到着!早めの列車で来たのでモン・サン・ミッシェル行きのバスまで1時間程度ありました。

レンヌの街を散歩しつつ、子どもたちを遊ばせるために公園(Square des Français Libres)へ。

小さな公園ですが、大きな遊具もありのびのび遊べます。下に木のチップが引いてあり、足元がふわふわで気持ちよかったです。
少しすると近所に住んでいそうなお母さんと子どもが二組ほどやってきました。そのうちの一人はアジア系かな?と思ったら、「ボンジュー!」と笑顔で挨拶してくれて、少しお話をしました。その方は中国から来た方で、「日本語は話せないけど、言ってることはわかる」って。「すごいですね!」と思わず返すと、にこっと笑ってくれて、「隣の国だから^^」と。いやいや、隣だからと言う理由でリスニングできないよ!と心で突っ込みました。笑
子供同士も一緒に滑り台で遊んで、異国でのちょっとした交流に心が温まりました。
バスでモン・サン・ミッシェルへ
10:15に公園を出て、レンヌ駅に戻りました。バス停に向かう前に駅の3階にどんなお店があるか物色。パン屋さんとベーグル屋さん、雑貨屋さんも発見しました。


10:30前に、バス停に到着。モンパルナス駅発8:25のTGVに乗っていたと思われる日本人がわんさかやってきました!久しぶりに周りで日本語が聞こえる…安心感半端ないです。このバスは日本人の乗車率が8割という情報も見ましたが、あながち嘘じゃなさそうです。(なんだろう?)

定刻10:45より少し前にバスが着き、チケットを見せて乗車します。席は自由、2階建てなのでたくさん席はありますが、あまり遅く着いてしまうと同じグループで近くの席に座ることは難しいかもしれません。日によるのでしょうが、私たちが乗った日は満席だったように思います。

2階席に座ることができた子どもたちは、窓から見える街並みに大喜び。いくつかの美しいフランスの街を通って、1時間ほどの快適な移動でした。

12:05にバスターミナルへ到着。予定より少し早かったかな♪バスに感謝して、島内を目指します…!

島までは徒歩35分、シャトルバスで20分ですが、あいにくの曇り空(今にも降りそう)だったので、迷わずシャトルバスに乗ることに。

ただ、シャトルバスも長蛇の列で10分ほど待ちました。混み混みのシャトルバスに乗車し、揺られること15分程度。橋の途中で降りると——

ついにあのモン・サン・ミッシェルが!!
長い道のりを経て、ようやくたどり着いた瞬間に、夫婦でで思わず「わぁ…!江ノ島みたい!!」と声が出ました。笑
終わりに
次回は、修道院観光と夜ホテルで起きたハプニングまでの【後編】をお届けします。
厳かなモン・サン・ミッシェル、静寂と荘厳さに包まれた修道院内部、そして旅の締めくくりまでお楽しみください♪